考察:永遠の都と黒き刃、稀人の関係。永遠の女王マリカの故郷について




 永遠の都。

それはかつて狭間の地で繁栄し、今は地下深くに滅びた都市の名前だ。

しかし、この都市は、狭間の地においていまだに大きな影響を残している。

以前【永遠の都から続く系譜。二つの魔術の都、サリア魔術街とカーリア王家の源流についての考察で語ったように、現代に存在する二つの魔術の都は永遠の都から続く系譜である。

そして、永遠の都はサリア魔術街とカーリア王家以外にも痕跡を残している。

そこで、本考察ではかつて永遠の都に住んでいた人々について考察しようと思う。



永遠の都の住人たち

現在の永遠の都には、主に二種類の住人がいる。
ノクス剣士と、夜巫女だ。




ノクス剣士の彼女たちという呼び名、そして夜巫女の巫女という言葉から分かる通り、彼女たちはみな女性だ。

奇妙なことに、永遠の都に男性のように思える存在はいないのだ。


…さて、女性ばかりの集団と聞いて、思い浮かぶものはないだろうか?

私にはある。

それは黒き刃、そして稀人だ。



黒き刃と稀人

黒き刃の鎧には、以下のような記憶が遺っている。

黒き刃の刺客たちの胴鎧

音を立てぬスケイルアーマー

身隠しのヴェールには

僅かに力が残り、足音を抑える

陰謀の夜の実行犯たる刺客たちは

すべて女性であり、一説には

マリカに近しい稀人であったという


陰謀の夜の実行犯である黒き刃は、みな女性だった。 

そして、女王マリカに近しい稀人であったという。

実際、私が出会った黒き刃の長アレクトーや、黒き刃ティシーもまた女性であった。


これだけではみな女性という共通点しかない。

しかし、私はロジェールが以前語っていた言葉を思い出した。

彼はかつてこう言っていた。


…これは、まさか黒き刃の刻印ですか!

まさか貴方が、手に入れられるとは…

以前お話した、黒き刃の陰謀の夜

その実行犯は、永遠の都の末裔たる、暗殺者だと言われています

姿隠しの衣を纏い、銀の鎧に身を包んだ、女性ばかりの一団であったと

そして彼女たちの武器、黒き刃には、儀式により死のルーンの力が宿っていたと


彼は、黒き刃は永遠の都の末裔である、と言っていたのだ。


永遠の都に現在住む者たちはみな女性で、黒き刃もみな女性。

その黒き刃は永遠の都の末裔と言われていて、一説には女王マリカに近しい稀人であったという。

これらのことから、永遠の都の住人≒黒き刃≒稀人、の図式が読み取れる。

かつて、あるいは今も、永遠の都に住んでいたのは稀人であったのではないだろうか?


しかし、この結論には一つ矛盾点が存在する。

それは、稀人とは、かつて狭間の地の外から来た存在だということだ。



稀人について

そもそも稀人とは何か?

稀人には以下の伝承が遺されている。


異界の民の末裔とされる、稀人の外見

皆長命であるが、産まれる者はごく少ない


稀人は、かつて狭間の外からやってきた

女王マリカの同族であるという


いわく、稀人は狭間の外から来た、女王マリカの同族だという。

しかし、永遠の都は地下とはいえ狭間の地にあり、かつては地上で繁栄していた。

これではつじつまが合わない。

しかし、こう考えれば筋道が通る。

永遠の都とは、かつて狭間の地からやってきた稀人たちによって、築かれた都市なのではないだろうか?



永遠の都と永遠の女王マリカ

そもそも永遠の都はなぜ永遠と呼ばれたのか。

永遠という言葉がどこから来たのか、私にはずっとそれが謎だった。

永遠の都を稀人が築いたのなら、それも理解できる。

それは都を築いた稀人たちが皆長命で、永遠を生きるような存在に思えたからではないだろうか?

永遠を生きる者たちが統べる、永遠の都。

それこそがかつて滅びた永遠の都の姿だったのではないかと、私は思う。


そして永遠というと、一人の女性が思い浮かぶ。

狭間の地を統べる神にして、エルデンリングの宿主、その幻視を宿す者。

永遠の女王マリカ。

彼女もまた、稀人であったという。

そして彼女もまた、永遠と謳われた存在。


…永遠の女王マリカは、かつては永遠の都に住んでいた稀人だったのではないだろうか?

そして大いなる意志に選ばれ、神(操り人形)になったのではないだろうか?

大いなる意志に永遠の都(故郷)を滅ぼされても、なお。



まとめ

まとめよう。
  • 永遠の都の住人はみな女性
  • 黒き刃はみな女性で、永遠の都の末裔であり、稀人であった
  • これらのことから、かつて永遠の都に稀人は住んでいたと考えられる
  • 永遠の都を築いたのも稀人で、永遠を生きる存在が統べる都だから、永遠の都と言われたのではないだろうか?
  • そして稀人であった女王マリカもまた、永遠の都の住人であったのではないだろうか?

永遠の都の住人を考察するつもりが、思った以上に狭間の地の深い部分にまで切り込んだ考察になってしまった。
もしこの考察が正しいなら、女王マリカがなぜエルデンリングを砕いたか、という疑問の答えがまた一つ増える。
女王マリカが元は永遠の都の住人であったとしたら、彼女は本当に大いなる意志に振り回され続けた人生ということになる。
もし遥か昔、永遠の都の滅亡から続く恨みであったなら、その恨みはどれほど深いものなのだろうか。
彼女の心の内について、また一つ触れたような気がする。

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