考察:神の定義。エルデンリングの宿主、大いなる意志の道具について



 神とは何か?

狭間の地における神とは二つの意味を持つ。

一つは朱の腐敗などに代表される、狭間の地に元からいた、あるいは外から来た神々だ。

一般的な、強い力と権能を持つ神、を意味する。


もう一つは、大いなる意志に選ばれた狭間の地の支配者。

エルデンリングの宿主。

永遠の女王、マリカだ。


今回の考察では、この二つの後者、永遠の女王マリカの敬称である神の定義について、考察したい。


エルデンリングの宿主

かつて、エンヤ婆はこのように言っていた。


女王マリカは、エルデンリングの宿主、その幻視を宿す者

すなわち神さね

けれど彼女は、エルデンリングが砕けた後、黄金樹に囚われておる

神として、律の砕け、その大過の罰としてね

…指様が仰っている


マリカの大過は、大いなる罰に値する

だが彼女は、罰せられてなお神であり、幻視の器なのだ

その器に大ルーンを捧げるとき、お主は彼女の伴侶、エルデの王となろう

それこそが指の導きである


…さあ、もう行くがよい


女王マリカは、エルデンリングの宿主、その幻視を宿す者。

彼女は、罰せられてなお神であり、幻視の器なのだ。


この二つの言葉から、神とは、すなわちエルデンリングの宿主のことを指すことがわかる。

神と幻視の器は別のものとして扱われているからだ。



神人について

ではエルデンリングの宿主とはどういう意味だろうか?

ここで、神の候補である、神人について考えてみたい。

現状、神人として扱われている人物は5人いる。

マリカ、宵眼の女王、ラニ、マレニア、ミケラだ。

驚くことに、五人のうち四人が女性である。

また、ミケラも男性かどうかは怪しい。

考察:【ミケラとトリーナの関係の謎】で語ったように、ミケラとトリーナは同一の存在である可能性があるからだ。

その場合、ミケラは男性でもあり女性でもある存在ということになる。

神人全員が、女性の要素を持っているということになる。

これは、偶然ではないだろう。



女性であることの意味

では仮に、神でありエルデンリングの宿主になるためには、女性であることが必須の要素だとしたら、それはなぜだろうか?

私が考えるに、それは、子供を宿し、産むという能力が神とって重要だからなのではないだろうか?

エルデンリングを宿し、次の律を産むために。

死王子の修復ルーンを使用した際に、マリカの中には以下のようにエルデンリングが存在していた。




エルデンリングの宿主というのはこのように、体内にエルデンリングを収めていることを指すのだろう。

そして、ここから、新たなエルデンリングとその律を産みだす。

壊れかけのマリカの前で、我々が行ったこととは、このようなことだったのではないだろうか。

あれは女王マリカとの婚姻で、だからこそエルデの王は女王マリカの伴侶と呼ばれたのだ


エルデンリングという莫大なエネルギーを宿し、産み直すことができる器。

それこそが大いなる意志に選ばれた、神の役割。

神の定義。

もし本当にこれが正しいなら、ラニの言う操り人形よりもなおひどい。

大いなる意志の、道具だ。



ラダゴンの存在

しかし、この説には一つ問題点が存在する。
それは、ラダゴンの存在だ。
最後、エルデンリングの前で私の前に立ち塞がったラダゴンは、私に敗れ、エルデの獣によって神の遺剣にされた。

神の遺剣
永遠に死ぬことのないはずの
神の遺体から生まれる剣
人々はそれに様々な意味を見出す
大いなる罪、破滅、時代の終わり
あるいは始まりを


彼はあの時、 たしかに神だった。

男性のはずの、ラダゴンがだ。

だがこれにも、理由はある。

それは、ラダゴンは同時にマリカでもあったということだ。

かつて、女王の閨でマリカの言霊はこのように語った。


おお、ラダゴンよ、黄金律の犬よ

お前はまだ、私ではない。まだ、神ではない

さあ、共に砕けようぞ!我が半身よ!


これはおそらく、マリカがエルデンリングを砕こうとしたときだろう。

彼女が砕いたものとはエルデンリングに他ならない。

それに、エルデンリングを砕こうとすると、エルデンリングをその身に宿すマリカごと砕く必要がある。

だから、マリカに融合しているラダゴンごと、エルデンリングを砕こうとした。

しかし、おそらくマリカはラダゴンに負け、エルデンリングを完全に砕くことができなかった。

槌:マリカの槌には以下のような記憶が遺っている。

狭間の外、稀人の地で作られたという石槌

女王マリカが、エルデンリングを砕こうとし

ラダゴンが、それを修復しようとした得物

リングが砕けた衝撃で、半ば壊れており

ルーンの破片が食い込んでいる

マリカがエルデンリングを砕こうとした後、ラダゴンがそれを修復しようとしたのだ。

これは、マリカがエルデンリングを砕こうとした後、ラダゴンが体の主導権を握っていたことを意味する。

そうでないと修復しようとはできないからだ。

故に、マリカがエルデンリングを砕こうとした後、体の主導権争いに負け、ラダゴンがマリカの体を乗っ取ったであろうことが読み取れる。

だからラダゴンは男性なのにも関わらず、神であることができたのではないだろうか?

エルデンリングの宿主であれる器を持った、マリカの体を使うことができたから。



まとめ

  • 神人はミケラ含め、みな女性の要素を持つ
  • その理由は、神はエルデンリングという莫大なエネルギーを宿し、産み直すことができる器である必要があるためである
  • これこそが神の定義
  • ラダゴンは男でありながら神だったが、これはラダゴンがマリカの体の主導権争いに勝ったため、マリカの肉体を持っていたから
  • エルデンリングの宿主とは、エルデンリングという莫大なエネルギーを宿し、産み直すことができる器のことを指す

ラニは神のことを指して、操り人形と言った。
もしこの考察が正しいなら、その言葉ももっともだ。
むしろ操り人形よりなおひどい。
こんなものは奴隷、いや、道具だ。
大いなる意志の力を狭間の地に張り巡らせ、律を敷くための、装置としての扱いだ。
マリカについて掘り下げれば掘り下げるほど、彼女が大いなる意志に反逆したのも当然のように思える。
あまりにもひどい。
こんなもの、神であってたまるものか。

ラニが律を連れて、旅立つ決意をした理由がよくわかる。
願わくば、彼女の選択が、すべての因縁を断つものでありますように。

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