魔術学院レアルカリア

ようやく、魔術学院レアルカリアにたどり着いた。

リエーニエの大陸の中央に位置する魔術の総本山にして象牙の塔。

そして、私も詳しくはまだ知れていないが、かつてカーリア王家を裏切り黄金樹の味方となった裏切りの徒。

そして満月の女王レナラが率いる、カーリアの後継。

私にとっては複雑な存在だ。

私の祖先は魔術騎士という、カーリア王家に仕えていた英雄の一員だった。

といっても歴史の中でかつて伝えられていたとされる武器や防具は散逸して残っていないし、本当かどうかはわからないけど、それでも私は私が魔術騎士の子孫だと信じている。

そんな私にとって、この魔術学院レアルカリアはかつての王家の裏切りものであり、同時に忠誠を誓っていた満月の女王レナラの御所でもある。

私はこの魔術学院にどういう感情を持てばいいのか悩んでいる。

ただ、ほかの場所と同様にこの学院にいる存在もすでにみな狂っていて、見境なしに襲ってくる。彼らにはもう理性は残っていない。

それに、女王レナラはなぜ王家を裏切ったのか、一体当時何があったのか、ということも知りたい。

そのためには、女王本人に問い質すことが一番早いだろう。

接ぎ木のゴドリックのように襲い掛かってくるかもしれないけど、その時はその時だ。

私は彼女らに何があったのかを知りたい。