考察:椅子廟の模様の謎。永遠の都と大いなる意志との関係
椅子廟というものを知っているだろうか。
それは永遠の都や、サリアの魔術街に存在している大きな椅子のことだ。
以下の図1のようなもので、非常に大きく、足元の部分に宝物を安置している、一種の宗教施設だ。
図1 椅子廟
これは永遠の都の奥にいる、図2のような巨人の躯が座っている椅子と同じものだ。
図2 椅子廟に座す巨人このことから、元は巨人の椅子であったものを廟、つまり墳墓としているのであろうことが見て取れる。
今回考察したいものはこの椅子の背もたれの部分の模様だ。
図3を見てほしい。
これは模様の部分を拡大したものだが、何に見えるだろうか?
私には、樹、もしくは生物のヒレのように見える。
図3 椅子廟の模様私はこの旅で樹のような形をしたヒレを持つ生物を一つだけ知っている。
エルデの獣だ。
そしてこれら二つを比べたものが図4だ。
似ていないだろうか?
図4 エルデの獣と椅子廟の模様の比較
ただもしこの椅子廟の模様のモチーフがエルデの獣だった場合、困ったことになる。
なぜなら、永遠の都は大いなる意志に敵対していて、怒りに触れて滅ぼされたはずだからだ。(【暗黒の落とし子アステールはなぜ二体いるのか? 永遠の都を滅ぼしたものについて】参照)
だが、実際には永遠の都の支配者であっただろう巨人を埋葬する廟に、この模様が存在する。
これは矛盾している。
この矛盾を解消することのできる仮説は三つ存在する。
仮説1 崇めているのではなく、大いなる意志を貶める行為としての背もたれの装飾
一つはあれは崇めているのではなく、大いなる意志を貶める行為として、背もたれの装飾にエルデの獣を使用していたという説。
だがこの可能性は低い。
座る部分の模様なら尻に敷くという意味でも分かるのだが、背もたれは背に受ける、つまり後見だったり、威厳を表すものだ。
そこに貶める対象を置いても貶めることにはならない。
仮説2 エルデの獣とは関係ない
仮説3 永遠の都が滅ぼされる前、永遠の都の民たちは大いなる意志を崇めていた
三つ目は永遠の都が滅ぼされる前、永遠の都の民たちは大いなる意志を崇めていた可能性。
つまり、黄金樹が根付く前、大いなる意志は永遠の都の民たちを支配していた。
だが永遠の都の民たちは何かをしたことによって大いなる意志の怒りに触れ、すべてを流星によって滅ぼされた。
そしてかつて巨人たちが座っていた椅子を廟とし、その時の信仰の名残が今も椅子の模様に残っている、という仮説だ。
十分ありうる話だと思う。
ノクス僧の装備には以下のようにある。
永遠の都の僧たちの足甲
太古、大いなる意思の怒りに触れ
地下深くに滅ぼされた、ノクスの民は
偽りの夜空を戴き、永遠に待っている
王を。星の世紀、夜の王を
そもそも大いなる意志の怒りに触れたから滅ぼされた、というのもある程度大いなる意志と永遠の都にかかわりがないと起きづらい話だ。
大いなる意志の支配下にあった永遠の都が、大いなる意志の怒りに触れるようなことをしでかしたから、滅ぼされた。
そしてその場合何をしたのかも予想できる。
写し身の雫の遺灰には以下のようにある。
召喚者の姿を模倣し、戦う霊体
ただし、その意志までは模倣できない
永遠の都が、王を創らんとした遺物である。
王を創らんとした。
この狭間の地で王というとほぼ一つに絞られる。
エルデの王だ。
大いなる意志の元に繁栄した永遠の都は驕り高ぶり増長し、その果てに大いなる意志ではなく自分たちでエルデの王を創ろうとした。
そしてその結果大いなる意志の怒りを買い、滅ぼされた。
そういうことなのではないだろうか?
ただ、この仮説には一つ問題がある。
それは、以前の考察で私はエルデの獣は黄金の流星と共にやってきて、その黄金の流星が名もなき永遠の都を滅ぼした、としている点だ。
祈祷、エルデの流星が深き根の底にある点や、エルデの獣がエルデンリングになりそれが黄金樹を生んだことから、これはかなり確度の高い情報だと考えている。
ただこの場合、時系列として、永遠の都が繁栄 → 黄金の流星が襲来 → エルデの獣がエルデンリングになる → エルデンリングが黄金樹を生む、となる。
だが黄金の流星が襲来する以前からエルデの獣を椅子に模様として刻んで崇めていたとすると、どこで永遠の都の住人はエルデの獣を知ったのか? という問題だ。
だがこの問題には回答できる。
というのも、多くの宗教では実際に見ていないものを神の言葉、あるいはイメージで描かれることがほとんどだ。
永遠の都が大いなる意志を崇めるほど関係が深かったなら、今の黄金樹の時代と同じように二本指なり他の獣なりを派遣していただろうし、それらから教えを聞いているだろう。
じゃないと布教はされないからだ。
それでエルデの獣を知って、象徴として椅子に模様として刻んでいてもそこまで不思議ではない。
少し苦しい気はするが、現状はこれが一番ありうる可能性のように思える。
だが正直もう少しこの考察に関しては考えるための材料が欲しいところだ。
まとめ
まとめよう。
- 永遠の都やサリアにある椅子廟の背もたれにある模様とエルデの獣は非常に似ていて、模様のモチーフがエルデの獣である可能性が高い
- なぜエルデの獣をモチーフにした模様をつけているかと考えると三つの可能性が考えられる
- 仮説1 崇めているのではなく、大いなる意志を貶める行為としての背もたれの装飾
- 仮説2 エルデの獣とは関係ない
- 仮説3 永遠の都が滅ぼされる前、永遠の都の民たちは大いなる意志を崇めていた
- 仮説3が一番可能性が高いと思われるが、問題点も存在する
ほかの可能性として、名もなき永遠の都だけ他の永遠の都よりもさらに古い時代のものである。
返信削除というのは考えられませんでしょうか。
感想ありがとうございます。
削除仮にそうだとしたら、ほかの永遠の都は名もなき永遠の都を黄金の流星とエルデの獣が滅ぼしたことを知っているはずです。
それなのにあんなふうに崇めるかな? と疑問を感じたので、その説はあげませんでした。
恐れ故に崇めた可能性はありますが、じゃあ今度はなんで大逆してるんだよ、って感じにもなりますし。
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返信削除コメント失礼致します。
返信削除興味深い考察に、いつも楽しく閲覧させていただいております。
本題です。
ノクローンの秘宝《指殺しの刃》には『遺体から産まれたとされる刃』とあります。
また、エルデの追憶から生成できる《神の遺剣》には『神の遺体から生まれる剣』とあります。
この二つの武器は、形状も似ています。
この事から、永遠の都には、《エルデの獣》が送り込まれる以前より、それと同等の、信仰対象となる神性が存在していたのではないかと考えました。
その遺体から産まれたものが《指殺しの刃》なのではないかと。
黄金樹には、死者が追憶として刻まれます。
狭間の地に送り込まれた際の《エルデの獣》は現在とは違った見た目をしており、永遠の都に宿っていた神性が黄金樹に記憶された事で現在のような見た目、性質に変化していったのではないかと考えました。
そうなると、椅子廟の模様は《エルデの獣》そのものではなく、その原型となった、永遠の都に宿っていた神性の姿を模したものなのではないかとも考えられます。
そして、その神性こそ、黄金律以前に狭間の地を支配していた死、輪廻転生の理を律していた者の正体なのではないか、と。
その結果、取り込まれた運命の死は《エルデの獣》の一部となり、《死のルーン》としてエルデンリングに刻まれ、それをエルデンリングから取り除いたと考えれば、《エルデの獣=エルデンリング》が存在する以前より狭間の地にあった《輪廻転生の理=運命の死》が現在ルーンの形をしている事にも説明がつくのではないかと考えました。
拙い考察ですが、お力になれれば幸いに思います。
長々と失礼致しました。
感想ありがとうございます。
削除面白い考察ですね。
指殺しの刃の元になった遺体については自分も考えていましたが、それはノクローンやノクステラに存在する大きな巨人と同様の存在だと思ってました。
なぜなら、名も無き永遠の都には巨人がいないんですよね。
でもあそこだけ巨人がいなかったとは考えづらい。
まぁ生命の坩堝として吸収された可能性も高いですが、そうなんじゃないかなと。
だけどそれを違う神性がかつて存在していて、それを吸収したためにエルデの獣が今の姿になった。
面白いです。
ただエルデの獣が以前は違う姿をしていた、という情報が一切ないのでなんとも言えないですね……
あと永遠の都は輪廻転生をまったく信奉してないみたいなんですよね。
ただ輪廻転生は置いておくとして、指殺しの刃の元になった存在がエルデの獣の姿をしていて、それを崇めていた、という可能性は考えられますね。
面白い考察を教えていただきありがとうございます。
個人的の考察では
返信削除その仮説2、それはエルデの獣と関係ないの樹だった
しかもそれは永遠の都にとってはかなり重要、存在感がある樹
具体的に言うと
名も無い永遠の都の南、かなり大きいな樹がありますね
簡単に言うと
永遠の都の椅子廟にある模様は 永遠の都昔からある樹なんです
地上地下のマップを比較すれば分かると思う
黄金樹と地下にいる大きな樹と近い所にいるか結構距離がある
一応黄金樹はちょっと斜めな感じだったか
神授塔から観察した結果はあれはマップ中心の雲に向かってるの感じだった
だから以上の考察から 永遠の都の大きい樹と黄金樹とは別の樹だった
じゃなぜこんな事があるのは
貴公子のドロップ品、儀仗の直剣の説明
黄金の一族の末裔たちは
没落の後、古きに力と縁を求めたのだ
ここは個人の感想だったか
もしかしたら 接ぎ木も 古い黄金樹のものだったじゃない?
古い黄金樹という時代は、つまりゴッドフレイ王が、狭間の地を征討する時代
その時、永遠の都の象徴的なものを奪って、黄金樹の接ぎ木に使ったかもしれない
植物はあんまり詳しくないか、黄金樹はつるのような生え方してる
そして永遠の都周辺によくある石柱、聖別雪原の西にもあるやつ(聖別雪原は永遠の都の地上版と思います)
あれ実は全部樹だった説、あの接ぎ木にされた永遠の都の象徴の樹と同類
整理すると
椅子廟の紋章、元は永遠の都の象徴だった巨大樹だった
古い黄金樹時代、黄金の一族に盗られて、黄金樹の接ぎ木になった
そして黄金樹の時代になって、永遠の都の同類の樹は全部枯れてた
おそらく永遠の都の樹は特別なもので、黄金樹と大いなる意思と関係性みたいに
感想多めの考察だったか、ご参考になれば
感想ありがとうございます。
削除永遠の都に別の大きな樹があった、という可能性はあると思います。
ただそれが黄金の一族には関係ないと思います。
なぜなら彼らが接ぎ木に傾倒していったのは、黄金のゴッドウィンが死んで、黄金の一族が没落し始めてからだからです。
その時はとっくに永遠の都は滅亡しているはずなので、永遠の都と黄金の一族は関係ないと思われます。
接ぎ木は古い黄金樹の時代のものだったりして
削除ゴドリックの時代はそれを発掘して使った
儀仗の直剣の戦技を使う時の紋章は古い黄金樹の紋章
装備の説明の意味つまりこの剣以外も他の古き力もあるよって意味してると思う
そしておそらく人の体を接ぎ木の意味ではなく元の意味の可能性
儀仗の直剣の戦技の紋章を見てみましたが、エルデの流星とおそらく同じですね。
削除なので原初の黄金樹を表しているのだと思います