考察:暗黒の落とし子アステールはなぜ二体いるのか? 永遠の都を滅ぼしたものについて

 





名もなき永遠の都が黄金の流星によって滅ぼされた有力な証拠が見つかったので追記した。


遥か彼方、光の無い暗黒で生まれた星の異形アステール。
それは永遠の都を滅ぼし、彼らから空を奪った、悪意ある流星である。
私は旅をする中で、この星の異形アステールと戦ったことがある。
それはエインセル河の下流に広がる腐れ湖のさらに奥、大回廊を超えた先、地下にある偽りの星々を天に映した大空洞に存在した。

しかし、アステールはそこだけではなく、巨人たちの山嶺の西に位置するイエロ・アニスの坑道にも存在する。
私は以下の暗黒の落とし子の追憶から、アステールは一体だと思っていた。
黄金樹に刻まれた存在で、明らかに特別な存在だったからだ。

暗黒の落とし子の追憶 
黄金樹に刻まれた 
暗黒の落とし子、アステールの追憶 
遥か彼方、光の無い暗黒で生まれた星の異形  
それはかつて、永遠の都を滅ぼし 
彼らから空を奪った、悪意ある流星である

だが実際には二体いた。 

ではなぜ二体もアステールがいるのか? 

そして二体いるなら、どちらが永遠の都を滅ぼしたのか?

それが本稿の主題だ。


仮説1.  リエーニエ地下にいるアステールがすべての永遠の都を滅ぼした

かつてエンヤ婆はこう言っていた。

デミゴッド、そして偉大な英雄たちは
滅びてなお、黄金樹に追憶として刻まれる
それは、そうした代物さね
そしてその追憶は、その主の力を宿している
もしあんたがそれを手にし、揮うことを望むのなら…
指様の力をお借りしてあげるよ
…なあに、躊躇することはないんだよ
指様は導いておられる、あんたら褪せ人が、奪うことをね


追憶とは滅びてなお黄金樹に追憶として刻まれた、偉大な英雄たちだ

そしてこのアステールの追憶はリエーニエ地下にいるアステールを倒したことによって手に入れた。

つまり黄金樹に刻まれているアステールはリエーニエ地下にいるほうで、イエロ・アニスの坑道にいたものではない。

ならば追憶に刻まれている永遠の都を滅ぼしたというのも、リエーニエ地下にいるアステールのみで行ったことなのではないか? という説だ。

一定の説得力はあると思う。

ただこの説の場合、なぜイエロ・アニスの坑道にもアステールがいるのかわからないので、一時保留。



仮説2.  ノクステラをリエーニエ地下にいるアステールが、ノクローンをイエロ・アニスの坑道にいるアステールが滅ぼした

仮説2は永遠の都が二つあるのだから、ノクステラをリエーニエ地下にいるアステールが、ノクローンをイエロ・アニスの坑道にいるアステールが滅ぼしたのではないか? という仮説だ。
ただこの説の場合、深き根の底に沈む、名も無き永遠の都はだれが滅ぼしたのか? という問題が発生する。
ご存知ない方もいるかもしれないが、実は永遠の都は三つあるのである。
以下の地図を見てほしい。
これは狭間の地の地図の上に、地下の地図を重ね合わせたものだ。
地図1 地上と地下を重ね合わせた地図

ノクローンとノクステラについてはご存知だと思うが、実は王都の下、黄金樹の根のある大樹根にも永遠の都はあったのである。
すでに名も無き都だが、たしかに永遠の都だったものだ。
この説だと、名も無き永遠の都はだれが滅ぼしたのか、ということを説明できない。
よってこの説も保留。


仮説3.  名も無き永遠の都をエルデの流星が、ノクステラとノクローンを二体の悪意ある流星アステールが滅ぼした

個人的にはこれが一番可能性の高い仮説だと思っている。
地図1をもう一度見てほしい。
名も無き永遠の都は前述したように、黄金樹の真下に存在する。
そのため、かつて私は【考察:永遠の都はいつ滅んだのか?】の稿で、黄金樹の真下にあるため永遠の都が滅んだ時期は黄金樹が狭間の地に根付く以前だ、と述べた。
黄金樹の根より下に永遠の都の残骸があるということは、永遠の都が黄金樹の根付く以前に滅んでいないと成立しないからだ。
だがもしかしたら、永遠の都が滅んだ時期は黄金樹が根付くほんの少し前だったのかもしれない。
祈祷、エルデの流星には以下のようにある。

エルデの流星
最古とされる黄金樹の祈祷
「伝説の祈祷」のひとつ
無数の黄金の流星を生じ、周囲を攻撃する
かつて、大いなる意志は
黄金の流星と共に、一匹の獣を狭間に送り
それが、エルデンリングになったという


かつて大いなる意思は黄金の流星と共に一匹の獣を狭間に送り、それがエルデンリングになったとある。

そして黄金樹はエルデンリングが生み出したものだ。

この二つをまとめると、エルデンリングになったエルデの獣は黄金の流星と共に狭間の地に送られ、流星の落ちた先にエルデンリングが生まれ黄金樹が根付いたことになる。


流星の落ちた先は黄金樹のある場所で、その真下には名も無き永遠の都の残骸が存在する。

そしてほかの永遠の都を滅ぼしたのは悪意ある流星……

これらの情報をまとめると、大いなる意思が黄金樹のある場所で繁栄していた永遠の都を黄金の流星によって滅ぼし、永遠の都が埋もれた地の上に、黄金樹を根付かせた。

このような結論にならないだろうか?

そう、大いなる意思が黄金樹を狭間の地に植えるための地ならしとして、名も無き永遠の都をエルデの流星で、ノクステラとノクローンを二体のアステールによって滅ぼしたのだ。

そしてこの滅亡はおそらく同時期に起きた。

永遠の都がノクステラとノクローンは原型をとどめているのに、名も無き永遠の都だけが完全に破壊されているのは、黄金樹が根付くために徹底的に破壊されたから。

これは、かなり説得力のある説だと私は思う。


追記部分

名も無き都が黄金の流星によって滅ぼされた、有力な証拠が見つかった。

それは、祈祷、エルデの流星そのものだ。

なぜ忘れていたのかと思うが、エルデの流星を見つけた場所は深き根の底、名もなき永遠の都が眠る地だ!

これ以上の黄金の流星によって名もなき永遠の都が滅ぼされた証拠があるだろうか。

名もなき永遠の都が黄金の流星によって滅ぼされたからこそ、少なくとも黄金の流星が今の黄金樹の位置に降ってきたからこそ、エルデの流星は深き根の底で見つかるのだ。

これで、名もなき永遠の都が黄金の流星によって滅ぼされ、そこに黄金樹が根付いた、というのはかなり確度の高い情報と考えて以後考察していいと思われる。

このことに気づかせてくれた褪せ人に感謝したい。


まとめ

なぜあすて。
  • 暗黒の落とし子アステールはなぜかリエーニエ地下とイエロ・アニスの坑道に二体いる。
  • なぜ二体いるのか。そしてだれが三つある永遠の都を滅ぼしたのか、を考察した。
  • なぜ二体いるかについての仮説は以下の三つである。
    • 仮説1.  リエーニエ地下にいるアステールがすべての永遠の都を滅ぼした
    • 仮説2.  ノクステラをリエーニエ地下にいるアステールが、ノクローンをイエロ・アニスの坑道にいるアステールが滅ぼした
    • 仮説3.  名も無き永遠の都をエルデの流星が、ノクステラとノクローンを二体の悪意ある流星アステールが滅ぼした
  • 私は仮説3が一番可能性の高い説だと考えている。

アステールがなぜ二体いるのか、というちょっとした疑問だったが、深堀していくと黄金樹の成立にかかわる面白い内容になったと思う。
やはり大いなる意志は恐ろしい。
ラニがああいう選択をした気持ちがよくわかる。

そして、この考察を進めていくうちに黄金樹というものについての謎にも手掛かりを得たように思う。
次の考察はこの考察からつながる黄金樹の謎、【還樹の謎、黄金樹の成立過程。原初の黄金樹が赤味を帯びていた理由とは?】について語りたいと考えている。






コメント

  1. 私はアステールの二つ名と伝説の魔術を紐づけてました。
    伝説の魔術「彗星ルーサット」「創星雨」 → 暗黒の星々アステール
    伝説の魔術「彗星アズール」→暗黒の流星アステール
    伝説の祈祷「エルデの流星」→エルデの獣

    星々の魔術が2つあるのは落ちてきたのは星団の残骸だったこと、
    それを統べるのがノクローンの「黒い満月」とレナラが出会った「満月」の2柱だったからかなとおもってます。(ノクローンの月のテキストより)
    あと石肌の種族が永遠の都を統べていたこと、彼らは黒と白で2種類あるというのも満月が2柱いるという推論の根拠です。
    彼らの使う重力魔法も斥力と引力の2種類あります。

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    1. 感想ありがとうございます。
      伝説の魔術二つはたしかにその可能性もありますね。
      源流とはアステールによる滅びを指していたと。
      なるほど、ありがとうございます。
      それならそこをこてに、先史時代の時系列を整理できるかもしれませんね

      石肌の種族が永遠の都を統べていたこと、は前は自分もそう考えていたのですが、今はそう考えていないです。
      彼らは隕石から生まれた古種族とあります。
      つまりアステールの襲来と共に産まれ、滅んだ永遠の都を支配したのではないかなと。

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  2. いくつか、気になる点があります
    ・何故暗黒の星々アステールはイエロ・アニスの坑道にいるのか
    この個体のは位置されているイエロ・アニスの坑道は聖別雪原の西端で、ノクローンからかなり離れています。秘割符で行ける場所=ミケラ・マレニアとの関わりを考えると、これもまた「腐れ」のキーワードに連なる何かがあるのでしょうか。
    ・なぜ坑道なのか
    本作において小ダンジョンは洞窟・墳墓・坑道とありますが、その中でも坑道は多くの人が日常的に出入りすることを前提とした「産業施設」で、アステールのいるボス部屋入り口には間仕切り、入ってすぐに篝火台があることからも普通に使われていた空間であり、世界を滅ぼす異物が潜む(あるいは封印されている、侵略してきた)場所にしては日常と地続きである点が奇妙です。
    ・「落とし子」と「星々」の違い
    これは単純に分身能力に由来する便宜的なものなのでしょうか。あるいはそこからもなにか性質の違いが読み取れるのでしょうか。

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    1. 感想ありがとうございます。

      ・何故暗黒の星々アステールはイエロ・アニスの坑道にいるのか
      たしかにこれ謎なんですよね。
      場所からして、もしや狂い火の病って外宇宙産なのか? とかも考えたことありますが、何とも言えない……
      坑道なのはそもそも鍛石や結晶が彼らからの産物なんだと思います

      落とし子と星々は、表記が違う以上別物と判断するべきなのか……
      これも面白い考察の対象ですね

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  3. 暗黒の落とし子、アステール
    暗黒の星々、アステール

    実はこのふたつの暗黒には違いがあります
    英語版では
    Astel, Naturalborn of [the Void]
    Astel, Stars of [Darkness]
    VoidとDarknessは同じものを示すのか、また考察になります


    それとこれを見てください
    https://www.youtube.com/watch?v=v1MGYZHegIg
    この現象は意味あると思います
    そしてエインセル河のあの敵は調香師の隠し洞窟とアルター坑道にも登場しています
    英語版ではMalformed Starといいます
    あと星降る獣シリーズ(Fallingstar Beast)にはこの現象はないため、違い種属かもしれません

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    1. コメントありがとうございます。
      たぶんこの二つはそれぞれ違う源流だったんだろうな、と思っています。
      だからそれに合わせて名前が違うのではないかなと。
      ここらへんは掘り下げると面白そうなので、また考察をしてみたいと思います。

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