考察:地下墓地の奥にあった、木の根に取り込まれた人々

 



この絵はある地下墓地を探索していた際に、狂った墓守を倒した奥に存在していた木の根のようなものを写したものだ。
見ての通り、木の根にたくさんの人が取り込まれていることがわかる。
これはなんだ?
ここは墓地のはずだ。
そしてその墓地の、墓守の奥に多数の人の死体が木の根に取り込まれている。
つまり、これは墓なのか? 多数の人が埋葬される集団墓地?
木葬、とでも呼ぶべきだろうか。
海辺のほうに、死したものは黄金樹に還る、という一文が刻まれた石碑を見つけた。
これはこの黄金樹にかつて祝福されていたこの狭間の地の独特の風習なのかもしれない。
つまり、この根は光り輝いてこそいないが黄金樹の根なのだろうか。
近くにある黄金樹とは距離がそれなりに離れているが、木の根は地下に深く根を張る。
あれほどの大きな木ならばここまで根が伸びていてもおかしくはないだろう。
だが、私にはこの光景は神聖なものではなく、どこかほの暗さを孕むものに見える。

狭間の地で出会った魔術の師、セレン先生は言っていた。
黄金樹は古き生命を宿した琥珀だと。
つまり古き生命は人のことを指すのだろうか?
わからない。
未だ情報が足りない。
しかし、黄金樹というものは綺麗なだけのものではないのかもしれない。


追記
旅を続けていくうえでわかったことがある。
狭間の地の人々は黄金樹に還る、還樹というものこそが最も良い死に方と考えられているらしい。
別の文化圏である私にとってはおぞましく見えた木の根に取り込まれた遺体だったが、これはこの地の人々にとっては最上の死に方のようだった。
私がいつも頼りにしているルーテルなども、英雄として活躍した結果還樹を賜ったらしく、彼女にとっては非常に名誉なことだったらしい。
異文化というのはまったくもって不思議なものだ。






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