カーリアの親衛騎士 ローレッタ
かつてカーリア王家が住んでいたとされるカーリアの城館で、私は彼女に出会った。
親衛騎士ローレッタ
巨躯の馬に跨り、長大な戦鎌を片手で軽々と振るう巨大な騎士。
半透明で突然現れたことから、おそらく幻影か霊体だと思われる彼女はとても強かった。
騎乗の身で様々な魔術を操り、武器の腕も一級。
遠くの敵には輝石のつぶてや流星群で攻撃し、近距離には戦鎌、自分の隙の大きい攻撃をカバーするためにカーリアの円陣、そしてなにより大威力のローレッタの大弓とローレッタの絶技!
彼女ほど多彩に武器と魔術を両立して操る武人を私はほかに知らない。
祝福の導きを受ける私はあきらめない限り死しても復活する。
故に、何回死んでもあきらめなければいずれ勝てる。
だからこそ彼女にも勝てたが、ムーングラム同様一回きりの戦いだと死んでいたのは間違いなく私のほうだっただろう。
…初見だとわかりづらいが、彼女の攻撃には隙が多いのだ。
例えばカーリアの円陣を使用するとき、彼女はその場で跳ねるが、それで出てくる光矢は一定時間経たないと私を襲って来ない。
なのでその隙に彼女に攻撃することができる。
また、輝石のつぶても慣れるとその攻撃タイミングは一定だ。
普通は慣れる前に殺されるわけだが、慣れるまで殺されることができる私はその攻撃に慣れた。
そうなると、輝石のつぶてが止むタイミングで岩石弾を撃つことができる。
また彼女の必殺技。
飛び跳ねて戦鎌に光刃を纏って敵を切り裂く戦技、ローレッタの斬撃も、威力こそ絶大だが切り裂いた後の隙もその分大きい。
こちらも威力の高い魔術や戦技を叩き込むチャンスだ。
このように相手の攻撃への最適化を繰り返すことで、私は彼女に勝った。
そして彼女に遺る記憶から得た魔術、ローレッタの大弓は超遠距離から撃てる大威力の砲撃として、その後私の旅をずっと支えてくれている。
しかし勝ったとはいえ、戦鎌一本で魔術をも使う彼女は、私のあこがれの存在だ。
私もあんな風に武器と魔術を同時に使いこなしてみたい。
そもそも、どうやってあの武器で多彩な魔術を扱っているのかを知りたい。
魔術を武器で扱う戦技は幾多あるが、どれも一つの魔術しか扱うことができない。
ただ彼女は違う。
彼女はあの戦鎌一つで、「輝石のつぶて」「流星群」「ローレッタの大弓」「カーリアの円陣」を使いこなしている。
彼女の武器、ローレッタの戦鎌は後の旅路で私も手に入れたが、その戦鎌に杖としての能力はなかった。
なぜ彼女だけが武器と魔術の両立ができていたのか。
今度考察してみよう……
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