考察:狭間の地の歴史解説 前編





狭間の地の歴史は長く、深い。

古くは竜たちが支配する時代から続いていて、黄金樹の支配した時代はその一部にすぎない。 

今回は、その狭間の地の大まかな歴史の流れについて、解説しようと思う。

この歴史を学ぶことで、今後狭間の地についての考察を聞く際に、より深く理解できるようになるように解説するつもりだ。

また、今回の歴史解説では、私の編纂した狭間の地の歴史年表を使用する。

興味がある方はそちらもご覧いただきたい。



狭間の地の歴史区分

まず、私は狭間の地の歴史を以下のように、10個の時代に分けた。

  1. 先史時代
  2. 黄金樹の始まり
  3. 巨人戦争
  4. ゴッドフレイの征服
  5. ゴッドフレイの追放
  6. 黄金律の全盛期
  7. 陰謀の夜
  8. 破砕戦争
  9. 最初の褪せ人たち、円卓
  10. 現代

それぞれの時代の詳しい解説は次回以降に行うとして、今回はこれらの時代区分をもとに、大まかな狭間の地の歴史の流れについて解説していく。
ただ非常に長いので、前編と後編に分けて解説する。
前編である今回は1.先史時代から、5.ゴッドフレイの追放までを語ることとする。
記録に残る中で狭間の地において最も古い時代から、ゴッドフレイが狭間の地を追放され、褪せ人になるまでの話だ。


1.先史時代

まずはわかっている範囲で最も古い時代、先史時代だ。
この先史時代という言葉は、竜印の盾のタリスマンにある以下の記述から採用した。

古竜が浮き彫られた、錬鉄のタリスマン
物理カット率を高める

黄金樹なき先史時代の主たる古竜は
王を守る、巌の壁であったという
故に竜姿は、あらゆる護りの象徴である


先史時代とは黄金樹の根付く前、黄金樹なき時代のことを指す。

歴史区分の中では一番長く、謎が多い時代だ。

この時代は黄金樹が狭間の地に侵略戦争を仕掛ける前のため、各地に様々な勢力が存在した。


ファルムアズラに座す竜王プラキドサクスと古竜たち。

腐れ湖に君臨する朱の腐敗と、それを崇める偉大なキノコ頭の王。

巨人の山嶺で暮らす星見と火の巨人。

祖霊を崇める、祖霊の民たち。

玉座に座す白い衣を着た巨人が支配する、永遠の都。



多くの生命が、それぞれの領域で暮らしていた。


しかし、ある時大いなる意志の怒りに触れ、永遠の都ノクローンとノクステラが暗黒の落とし子アステールによって滅ぼされた。

名も無き永遠の都の上に、大いなる意志の手によって、一匹の獣と共にエルデの流星が落ち、名も無き永遠の都は滅亡する。

今は深き根の底に、その残滓、エルデの流星のみが残っている。

永遠の都の生き残りたちはカーリア王家とサリア魔術街の基礎を築き、命脈を残す。

そうした中、ある時、一人の星見の少女が満月と出会い、月の魔術を会得した。

少女の名前はレナラ。

後にトロルたちと盟約を交わし、月の魔術で学院を魅了し、輝石の騎士を率い、カーリアを王家となした。

カーリアの女王その人である。



そうして、黄金樹無き先史時代は大いなる意志の怒りによって終わりを迎え、黄金樹の時代が始まる。



2.黄金樹の始まり

名も無き永遠の都の上に黄金の流星と共に送られたエルデの獣が、エルデンリングとなる。
そうして、狭間の地に黄金樹が根付く。
黄金樹とは、エルデンリングの具象である。

稀人マリカ、狭間の外から狭間の地にやってくる。
大いなる意志、稀人マリカをエルデンリングの宿主として選び、神とする。
永遠の女王マリカの誕生。
この時、狭間の地のすべてが黄金樹の敵であった。

戦士ゴッドフレイ、王となるを誓い、女王マリカに祝福される。
彼と彼女がどのように出会ったのか、それを知るものはいない。
彼らの出会いから、黄金樹の神話は始まった。



3.巨人戦争

マリカとゴッドフレイ、黄金樹を焼く力を持つ火の巨人たちに戦争を挑む。
巨人戦争勃発。
黄金樹にとって、黄金樹を焼く彼らの火はとてつもない脅威だったのだろう。
彼らは、断崖の壁に歯列の峰道を築き、雪深い未踏の地へと進んだ。
戦争の最中、トロルたちが巨人を裏切り、黄金樹の味方となる。
彼らは味方として黄金剣を与えられた。
知性をなくした現代においてなお、金の被膜の剝げ落ちた、みすぼらしい剣を、彼らは肌身離さず背負っている。
黄金樹の英雄たちの活躍と、トロルたちの裏切りにより、マリカたちは火の巨人を打ち破った。
女王マリカの言霊は語る。

戦士たちよ。
我が王、ゴッドフレイよ。
導きに従い、よくここまで戦ってくれた。
あの頂に、巨人たちを打ち滅ぼし、火を封じよう。
そして、はじめようじゃないか。
輝ける生命の時代を。
エルデンリングを掲げ、我ら黄金樹の時代を!

しかし、火の巨人を倒してなお、巨人の火は消せないことを女王マリカは知った。
火を黄金樹を焼くことに使わせないため、マリカは小さい巨人を滅びの火の永遠の番人とするように呪った。
小さき巨人よ。永遠の火守りとして生きるがよい。
巨人戦争終結。

その後、滅びの火の僧兵たち、黄金樹を焼く巨人の火の監視者となる。



4.ゴッドフレイの征服

ゴッドフレイが狭間の地の各地を征服していった時代。
黄金樹勢力の首都として、王都ローデイルが建設される。
この時期に黄金のゴッドウィン、忌み王モーゴット、血の君主モーグが生まれたと思われる。
ローデイルに拠点を構えたゴッドフレイ率いる黄金樹の軍勢は、王都ローデイルからさらに西、リエーニエに進軍する。
第一次リエーニエ戦役勃発。
女王マリカの言霊は語る。

黄金樹は、すべてを律する。
選ぶがよい。
我らの律の一部となるか?
それとも律の外にあり…何の力も持たぬ、辺境の傍流となるか

 

この戦争で活躍した青年こそが赤髪の英雄、ラダゴンである。
しかし、第一次リーエニエ戦役ではリエーニエすべてを征服することができず、戦争は第二次リエーニエ戦役にもつれ込むこととなる。
第二次リエーニエ戦役勃発。
この戦争でラダゴンは、カーリアの女王、レナラと出会い、恋に落ちる。
彼は侵略の戦いを悔いたという。
そうして結びの教会でラダゴンとレナラが結婚し、第二次リエーニエ戦役終結。
黄金と月に勝者はなく、だが贖いと、結びが生まれた。

そうして愛し合った二人は子供を作る。
ラダゴンとレナラの間に、星砕きのラダーン、冒涜の君主ライカード、雪の魔女ラニが生まれる
イジーの語るレナラやラニたちの幼少期、火山館にあるラダーンの肖像画などから、このころはカーリア王家は仲睦まじい家族だったのだろうと思われる。

その一方、ゴッドフレイはリムグレイブまで進軍。
リムグレイブに座す嵐の王と一騎打ちをし、勝利する。
そのまま啜り泣きの半島のモーン城まで進軍。
ただ独り生き残った復讐の英雄、一族の戦士すべての剣を集め、戦い続けるも、ゴッドフレイには届かず。
ケイリッドのサリア魔術街も、ゴッドフレイに屈した。
こうして、ゴッドフレイは狭間の地、すべてを征服した。



5.ゴッドフレイの追放

狭間の地をすべて征服し、ゴッドフレイ、エルデの王となる。
しかし、同時に女王マリカによって祝福を奪われ、瞳から祝福の色褪せた者、褪せ人となることを宣告される。
マリカはこの時、このように語った。

我が王よ、王の戦士たちよ。
お前たちから、祝福を奪う。
そして、その瞳が色褪せるとき、狭間の地を追放する。
外に戦を求め、生き、そして死ぬがよい
そして、お前たちが死した後、いつか奪ったものを返そう。狭間の地に戻り、戦い、赴くままにエルデンリングを掲げるがよい。死と共に、強くあれ。王の戦士たちよ、我が王、ゴッドフレイよ

 

ゴッドフレイと彼に付き従う戦士たち、褪せ人として狭間の地を追われる。
彼らこそが、現代の褪せ人たちの祖先である。
故に、マルギットは褪せ人を戦士の末裔と呼んだ。

ラダゴン、レナラを捨てマリカの空席になった王配の座に就き、二代目のエルデの王となる。
レナラ、ラダゴンに捨てられ狂い、産まれ直しの禁忌に耽る。
以後、英雄を欠いたカーリア王家は衰退していった。

運命の死を持った宵眼の女王、神肌の使徒たちを率いて神狩りを行うが、女王マリカの義弟、黒剣マリケスにより封じられその力は失われる。
彼女は指に選ばれた神人だったという。
運命の死を取り除くことで、黄金律は始まった。

ラダゴン、黄金律原理主義を提唱する。
小黄金樹の教会にて、マリカ=ラダゴンの言霊はこう語った。
黄金律の探求を、ここに宣言する。
あるべき正しさを知ることが、我らの信仰を、祝福を強くする。
幸せな幼き日々、盲信の時代は終わる。
同志よ、何の躊躇が必要だろうか!


彼は今までの黄金樹に対する盲信を捨て、理をもって信仰することを宣告した。

これより、黄金樹の全盛期が到来する。




おわりに

狭間の地の歴史解説の前編は以上となる。

大いなる意志によって先史時代は終わりを迎え、大いなる意志によって黄金樹は全盛期を迎えた。

狭間の地の歴史は、大いなる意志によって動かされてきた。

神のごとく、地に這う人のことなど、気にも留めずに……



後半は、黄金律の全盛期から現代まで。

世界を壊してでも、大いなる意志に抗い続けたものたちの歴史について語っていきたい。


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