考察:ローデリカの眼の色の秘密。宵眼の女王の宵眼とは何か?

ローデリカ。

彼女は円卓にいる褪せ人だ。

最初は自信がなさそうだったけど、ヒューグさんの指導の下調霊の技術を磨いたことで自信をつけて、今では立派調霊師として私の手助けをしてくれている。

彼女が強くしてくれた遺灰たちの助けがなければ、私はここまで旅を続けることはできなかっただろう。

これは他の褪せ人たちも同意してくれると思う。


では、彼女の眼の色を見たことがある人はいるだろうか?

彼女の眼の色は、下の絵のように、綺麗な藍色、浅葱色の眼をしている。



この瞳の色について、かつてヒューグはこう言っていた。

…あんたが連れてきた、あの娘…

心折れ、もう武器を振るうことはあるまいが

あれには、調霊の才があるぞ

ずっと昔、見たことがある

あれはそういう瞳の色だ


ローデリカのような瞳の色を持つ人は、調霊の才能を持っているらしい。

霊にかかわる才能を持つ、瞳の色にかかわるもの……

なにかピンとくるものはないだろうか?

私にはある。

それは、宵眼の女王だ。


宵眼の女王

宵眼の女王とはどういう存在か?

祈祷:黒炎の儀式にはこのようにある。

神肌の使徒たちの、黒炎の祈祷のひとつ

その高位とされるもの

使徒たちを率いた、宵眼の女王

彼女は、指に選ばれた神人であったという


また、 胴鎧:神肌の使徒ローブには以下のような記憶が遺されている。

滑らかな皮膚を縫い合わせたローブ

神狩りの黒炎を操る使徒たちは

かつて、運命の死に仕えていたという

しかし黒き剣のマリケスに敗れ

それを封印されてしまった


宵眼の女王とは、 神狩りの黒炎を操る使徒たちを率いた存在だ。

その使徒たちは、かつて運命の死に仕えていたが、黒き剣のマリケスに敗れ、運命の死は封印されてしまった。

彼女はまた、指に選ばれた神人であったという。


霊とは、死した後の存在がなるものだ。

必然、死にとても近しいものだ。


メリナの宵眼

また、宵眼、そして運命の死という言葉からは、ある一つの姿が思い浮かぶ。

メリナだ。



メリナは私のあったかもしれない未来で、このように言っていた。

狂い火の王…

…必ず、辿り着いてみせる

…そして貴方に

運命の死を


日頃は閉じていたメリナの左目には、このような深い藍色の目が隠されていた。


宵とは「日が暮れて間もないころ。また、日暮から夜中までの間」を指す言葉だ。

日が射している昼を生、日が落ちている夜を死、と考えると、宵とはまさしく運命の死に相応しい言葉だろう。

生から死へ、移り変わる瞬間。

まさしく運命の死だ。

宵の時間の色は、メリナの持つような、深い藍色だ。

夕方から夜に移り変わる時、空にはこのような深い藍色に染まる。

宵眼の女王の宵眼とは、メリナの持つような眼を指していたのだろう。



宵と明けの眼

では、ローデリカのような浅葱色の眼は?

空が浅葱色のようになるのは、宵ではなく朝。

夜から朝に切り替わる、明けの時だ。

これを先ほどのように生と死に例えると、宵の逆。

死から生に移り変わる、転生、もしくは再誕の時だろう。

調霊、そして霊喚びの力とはどういう力か?

それは、死したものを、一時的に生へと戻し、共に戦ってもらう力だ。

死から生へ、転じる力。

夜と朝が混じった、浅葱色の瞳は、まさしく死を生へと一時的に戻し、交わらせる、調霊の力に相応しい色だろう。

ローデリカの持つ、調霊の才を持つ瞳とは、このように宵眼と対になっている瞳なのではないかと思う。

そしてこのことから、宵眼の女王の持つ力についてもある程度推測できる。

それは調霊の才を持つ瞳とは逆の力、死から生にではなく、生から死へ落とす力。

運命の死を、もたらす力。

宵眼の女王の宵眼とは、このような力を持っていたのではないかと、私は思う。


まとめ

まとめよう。


  • ローデリカは浅葱色の瞳を持ち、その瞳の色は調霊の才を持つ瞳の色なのだという
  • 逆にメリナは、深い藍色の瞳を持ち、その瞳の色は宵の空の色によく似ている
  • 浅黄色の瞳が夜から朝に切り替わるときの色、死から生に戻す調霊の力を持つなら、宵眼はその逆
  • 夕から夜に、生から死に落とす力のことを指すのではないだろうか?
  • そしてそれこそが宵眼の女王の持つ力、運命の死をもたらす力だったのではないだろうか

宵眼の女王。
それはひどく謎に包まれている存在だ。
ローデリカの瞳の色綺麗だなー、そういえばヒューグさんがこの瞳について面白いことを言っていたなー、程度の考えから始まった考察だったが、思った以上に深いところまで切り込む内容になった。
まだまだ謎の多い彼女だが、その謎に切り込む切欠の一つになったのではないかと思う。

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