考察:なぜゴッドフレイは祝福を奪われ褪せ人として追放されたのか?
この旅ももう終わりに近い。
まだ結論を出すには情報が足りていないが、ここで一度このことについて考えようと思う。
結論から述べると、現時点で私はゴッドフレイが祝福を奪われ追放されたのちにまた復活することまで含めて、女王マリカの計画のうちだったのではないかと思っている。
そして追放した理由は二つ。
一つはゴッドフレイをエルデンリングが壊れた後にエルデンリングを修復してマリカの望む律を敷く王にしたかったから。
もう一つは、これは感傷的な予想だが、好敵手をなくし、闘志が色褪せてしまい、そのときすでに死すらも奪われてしまっていたかもしれないゴッドフレイに新しい戦場をあげてやりたかったのではないか。
この二つが理由だと思っている。
上のように考えた理由を順を追って話そう。
まずゴッドフレイについては前の頁で詳細に語ったので改めて詳しくは語らないが、簡単な説明だけはしよう。
ゴッドフレイとは永遠の女王マリカに祝福を受け、狭間の地を征服した初代エルデの王である。
それと同時に、蛮地の王ホーラ・ルーでもある。
彼は狭間の地を征服した後、マリカによって追放されたわけだが、そのあと再び狭間の地に帰ってくることまでがマリカの計画だったと考えるにあたって貴重な情報がある。
以下の言霊だ。
これは私がマリナから各地で聞いた、女王マリカの言霊たちの一部だ。
我が王よ、王の戦士たちよ。お前たちから、祝福を奪う
そして、その瞳が色褪せるとき、狭間の地を追放する
外に戦を求め、生き、そして死ぬがよい
そして、お前たちが死した後、いつか奪ったものを返そう
狭間の地に戻り、戦い、赴くままにエルデンリングを掲げるがよい
死と共に、強くあれ。王の戦士たちよ、我が王、ゴッドフレイよ
この言霊から、ゴッドフレイはマリカによって祝福を奪われ褪せ人として追放されたことがわかる。
だがそれだけではなくその続きには、彼らの死後にいつか奪ったもの、つまり祝福を返す。狭間の地に戻り、戦い、エルデンリングを掲げよ、と言っている。
つまり、女王マリカはゴッドフレイから祝福を奪い追放した時点で、後にエルデンリングが砕け、大いなる意思がデミゴッドを見放し、祝福が褪せ人たちに再び戻り、エルデンリングを求めることを予見、あるいは覚悟していたということになる。
そうでなくては、このような言霊を残すことはできない。
ではゴッドフレイの追放がそのあと死して戻ってくるまでを含めてマリカの意図通りだとしたら、マリカはなぜゴッドフレイを褪せ人として追放したのか。
その理由の一つ目、ゴッドフレイをエルデンリングが壊れた後にエルデンリングを修復してマリカの望む律を敷く王にしたかったから、の理由について語ろう。
まず狭間の地に敷かれていた黄金律について、マリカは嫌っていた。
理由は以下のマリカの言霊だ。
おお、ラダゴン、黄金律の犬よ。お前はまだ、私ではない。まだ、神ではない。さぁ、共に砕けようぞ! 我が半神よ!
黄金律の犬よ、と黄金律に犬のように従うラダゴンを蔑んでいる。
これはマリカが黄金律を嫌っていなければ 出てこない言葉だ。
このように黄金律を嫌っていて、それがこのままだと狭間の地すべてに敷かれることを知っているマリカは、どうにかして黄金律をこの狭間の地から除きたかったのではないだろうか?
しかし、永遠の女王マリカは黄金樹から力を与えられているからこそ力を揮える存在だ。
黄金律を狭間の地から除こうとしてエルデンリングを破壊しても、その時点で彼女の力は大いなる意志によって奪われ、黄金律を除くところまでいくことはできない。
ではどうするか?
エルデンリングを壊した後、自分以外の誰かに黄金律を除いてもらえばいい。
では誰に? 自分が運命すべてを託せるほど信頼できて、黄金樹の力がなくとも、黄金樹の力を持つ戦士たちを倒せるほどの力量を持った戦士などという都合のいい存在がいるか?
いるではないか。
ただの戦士から王に成り上がり、並み居る強敵をすべて打ち倒し、狭間の地に覇を唱えた、運命を共にする夫。
そう、初代エルデの王、ゴッドフレイだ。
彼女は夫に黄金律を狭間の地から取り除くことに協力してもらうことを願い、彼はそれを了承して納得したうえで褪せ人として狭間の地から追放されたのではないか?
だからいずれ再び戻って戦うときに備えて、彼に付き従う戦士たちも一緒に狭間の地を追放したのではないか?
だから黄金樹が燃えたとき、彼は時を図ったように戻ってきたのではないか?
そう考えている。
だがこの論にはいくつか穴がある。
その最も大きいものは、それならなぜゴッドフレイはエルデンリングが壊されたあとさっさとエルデンリングを修復して黄金律を除かなかったのか? だ。
だがその問いには答えることができる。
マリカにとっても黄金樹の犬であるラダゴンを共に砕けなかったのが想定外だったからだ。
上の言霊の通り、マリカはラダゴンを自分ごと砕こうとしていた。
おそらくこれはマリカがエルデンリングを壊した時だろう。
永遠の女王マリカはエルデンリングの宿主であるがゆえに、自分とララゴンごと、エルデンリングを砕こうとした
これによってマリカは、ラダゴンというゴッドフレイの最大の障壁になる存在を取り除こうと思ったのだろう。
だがそれはできなかった。
おそらくラダゴンが予想以上に強かったせいで砕くことができず、逆にとらえられ、ラダゴンがエルデンリングを修復しようとまでした。
その結果私を邪魔したように、ラダゴンの意志を受けて茨が黄金樹に入ろうとしたゴッドフレイを邪魔して、黄金樹が燃えるまで黄金樹に入ってエルデンリングを修復して黄金律を取り除くことができなかったのではないだろうか。
理由の二つ目。
これは感傷的なただの予想だが、マリカはゴッドフレイに新たな戦場を用意してあげたかったんじゃないかと思う。
ゴッドフレイの鎧には以下のような記憶が残っている。
最初のエルデの王、ゴッドフレイの胴鎧
黄金樹の始まりは、戦と共にあり
ゴッドフレイは戦場の王であった
巨人戦争、嵐の王との一騎打ち…
そして、好敵手がいなくなった時
王の瞳は色褪せたという
マリカはゴッドフレイとおそらく戦場で出会い、戦場をずっと共にし、戦場の中で愛した、戦場の王だった。
その王が、戦いがなくなったことでどんどん色褪せていく。
そのことを耐えがたく思ったんじゃないだろうか?
これは私の感傷で、おそらく理由としては一つ目のほうが大きいのだと思う。
だけど鎧の記憶と、マリカの残っている言霊。
この二つをみると、私にはそう思えてならなかった。
長くなってしまったがまとめよう。
- ゴッドフレイが祝福を奪われ褪せ人として追放された理由は二つある。
- 一つはマリカがゴッドフレイを、エルデンリングが壊れた後にエルデンリングを修復して黄金律以外の律を敷く王にしたかったから。
- もう一つは、マリカが好敵手をなくし、闘志が色褪せてしまい、そのときすでに死すらも奪われてしまっていたかもしれないゴッドフレイに新しい戦場をあげてやりたかったから。
- そしてそれはゴッドフレイを追放した時点でマリカが計画していたことだった。
私はこのように考えている。
永遠の女王マリカは、言霊を見る限り苛烈な、女傑と言っていいような女性だ。
長期的に計画をし、体を奪われても諦めず、国を滅ぼしてでも大いなる意志に一矢報いようとした。
だが、同時に家族に対しては情が深い女性だったのではないかとも思う。
特に夫であるゴッドフレイについては、愛していたのではないか。
だからこそ、ゴッドフレイも狭間の地に帰還したのではないかと、そう思う。
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